image play video
  • 2021/11/01公開
  • 岩永孝治
    東京動物心臓病センター センター長
    岩永孝治
    日本大学農獣医学部獣医学科を卒業後、同大学付属動物病院研修医課程の修了を経て、2003年に千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学に入局。2007年には同研究院にて医学博士号・日本獣医循環器学会認定医を取得し、2011年に東京動物心臓病センターを設立。

先天性短絡疾患による肺高血圧症の症例

この症例は、ふらつきと失神を主訴に来院した5歳避妊雌のトイ・プードルです。来院時の状態は悪くなく、呼吸状態、舌の色は良好で心雑音も見られませんでしたが、血液検査ではヘマトクリット値が異常に高く「多血症」が見られました。短絡疾患は「心臓の雑音が出ないことが多い」ということが特徴なので、気付かずに病気が進行することがよくあります。
肺高血圧症(全5回シリーズ)今後の配信予定
配信中

PART 1

[概論]肺高血圧症の病態について

配信中

PART 2

[概論]肺高血圧症の治療について

配信中

PART 3

[CASE]呼吸促迫(E.C.スパニエル)

配信中

PART 4

[CASE]ふらつき+失神(T.プードル)

配信中

PART 5

[CASE]僧帽弁形成術→呼吸促迫(M.シュナウザー)

※当サイトに掲載される全ての動画、画像、ハンドアウト内⽂章および画像について個⼈使⽤以外の⼀切の⾏為(転写・複製・譲渡・WEB掲載等)を禁じます

関連動画

循環器
image image 来院1週間前に肺水腫が発症する日本猫
岩永孝治
来院1週間前に肺水腫が発症する日本猫
この症例は日本猫で、肺水腫を発症し数日前から食欲が低下したとのことで来院しました。すでに紹介医では心不全の治療を行なっており、腎臓に負担がかかっているのではないかと推測しました。“左室二腔症による心不全”と診断し、左室内に血栓が形成されていました。血栓の発生箇所は左心房に多く発生しますが、中には左心室に血栓ができることもあります。
循環器
image image 若齢アメリカンショートヘアの心雑音
井口和人
若齢アメリカンショートヘアの心雑音
この動画は「若齢の猫の心雑音」についてお話しします。猫では「先天性心疾患」が多く、状況によっては死に至るケースがあるので、注意しながら診療を心掛けましょう。今回紹介する症例は「かなり重症な心疾患」で、他院にて麻酔のリスクから去勢手術ができないと指摘され、当院に来院しました。ここでは、大きめの心雑音に対する考え方と診断のポイントをご解説します。
循環器
image image 心筋症のスクリーニング検査を実施した雑種猫の症例
堀泰智
心筋症のスクリーニング検査を実施した雑種猫の症例
心筋症について、ガイドラインでは5つに分類に分けられていますが、そこには明確な診断基準は示されていません。循環器の診療を苦手とする先生においては、その判断に迷われる先生が多くいるのかと思っています。今回は咳を理由に来院した雑種猫を題材に、個人的な見解を交えながらその分類と、スクリーニング検査方法について解説したいと思います。
循環器
image image 呼吸促迫を主訴に来院したチワワ
岩永孝治
呼吸促迫を主訴に来院したチワワ
呼吸促迫を主訴に来院したチワワについてお話しをします。来院時検査で「前尖逸脱による左心拡大」の所見が見られたため、重度な僧帽弁閉鎖不全症と診断し、トラセミドの投与量を調整しながら治療開始しました。この症例は、発咳が「心拡大による気管圧迫されること」が原因となり、心拡大を改善させることが治療のポイントになります。
循環器
image image 胸水を主訴に来院したミックス猫
堀泰智
胸水を主訴に来院したミックス猫
ここで紹介する症例は原因不明の胸水貯留を主訴で来院したミックス猫で、心不全の治療だけでは胸水が改善されませんでした。一般的に胸水の原因としては「うっ血性心不全」「腫瘍性疾患」「伝染性腹膜炎(FIP)」が考えられ、この3つの疾患に対し必ず評価を行うことが必要です。この症例を通じ、胸水貯留の猫における基礎疾患の精査と治療の重要性を紹介します。
循環器
image image 肺水腫を繰り返し肺高血圧症を合併したキャバリア
井口和人
肺水腫を繰り返し肺高血圧症を合併したキャバリア
この動画は、最近話題になっている肺高血圧症についての症例をご紹介します。この症例は肺水腫から呼吸困難の症状が長期間繰り返し、また肺高血圧症の併発があり、最終的に腹水の貯留が出現したキャバリアです。標準的な内科治療に抵抗性があること、肺高血圧症の予後不良因子もあるため、オーナー様の意向で外科治療を行いました。