2025/12/15公開

眼科

次世代の眼科デバイス「OCT」を理解する〜Part3(前編)〜「前眼部疾患へのOCTの応用」

アニマルアイケア・東京動物眼科醫院

小松紘之

麻布大学獣医学科を卒業後、獣医眼科専門医に師事し、勤務医として研鑽を積んだ後、2018年よりアニマルアイケア・東京動物眼科醫院に所属。2024年に東京医科大学大学院医学研究科眼科学専攻博士課程を修了し、翌年、東京医科大学眼科学分野の非常勤講師に就任。同年、米国ボストンの Harvard Medical School, Boston Children’s Hospital にて Postdoctoral Fellow として勤務。これまで、犬および猫の緑内障や視神経炎に着目した OCT 画像解析を行っており、現在もアニマルアイケア・東京動物眼科醫院と連携しながら、日本から OCT の知見を世界へ発信すべく、日々研鑽を積んでいる。

どこまで見える？前眼部OCT

第3回となる今回は、前眼部疾患におけるOCT応用の「実践編」に踏み込み、角膜・結膜・強膜・虹彩・水晶体といった前眼部構造が、OCTによってどこまで描出できるのかを、実例を用いて詳細に解説します。角膜の層構造を病理像レベルで視認できるOCTの解像度を起点に、角膜潰瘍の深達度評価、デスメ膜瘤の判別、SCCEDs における上皮剥離・基底膜異常の描出など、スリットランプだけでは得られない「断面情報」が臨床判断にどう寄与するのかを具体的に提示します。さらに、真菌性角膜炎や感染性角膜炎における高輝度病変の描出、猫の角膜黒色壊死症・急性角膜水腫に対するOCTの有用性にも触れ、手術適応や切除深度の決定など治療計画への応用可能性を示します。OCTの導入を検討されている先生にとっても、実際の症例像を見ることで“前眼部で何がどこまで見えるのか”が具体的にイメージできる構成となっています。

次世代の眼科デバイス「OCT」を理解する (Part1〜3)

- Part1-

OCTの原理と眼科臨床の応用

- Part3(前編)-

前眼部疾患へのOCTの応用

- Part2 -

獣医臨床での撮影方法

- Part3(後編)-

前眼部疾患へのOCTの応用

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